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企画旅行

企画旅行(きかくりょこう)とは、旅行業法に定められた旅行契約形態のひとつ。

旅行会社が旅行の目的地、日程、運送・宿泊などのサービス内容及び旅行代金を定めた旅行計画を作成し、自らの計算において運送機関等のサービス提供者と契約を締結して旅行商品を作成して販売する旅行契約のこと。旅行会社があらかじめ旅行計画を作成するものを募集型企画旅行、旅行会社が旅行者の依頼により旅行計画を作成するものを受注型企画旅行という。

目次 [非表示]
1 特徴
2 募集型企画旅行
3 受注型企画旅行
4 旅程管理
5 旅程保証
6 特別補償
7 受託販売
8 関連項目
9 外部リンク



[編集] 特徴
旅行代金の包括性
企画旅行では旅行代金は包括表示され、手配旅行と違って運送・宿泊・観光などの細目ごとの費用内訳は明示されない。すなわち費用内訳が明示されない旅行は基本的に企画旅行であると考えてよい。費用内訳が明示されないのは不当であるという意見も時折聞かれるが、たとえば消費者が自動車を買うときは商品としての自動車を買うのであってその自動車のパーツの値段、ハンドルがいくら、シートがいくらということは明示されていないし消費者も気にも留めないはずである。企画旅行も同様に交通・宿泊・観光などのパーツを旅行会社が独自に仕入れて組み合わせ商品としての旅行を販売しているのである。(これに対してパーツごとに原価を明示して販売するのが手配旅行である。)

旅行会社の責任
企画旅行は旅行会社が作成した商品であるから手配旅行に比べて旅行会社の責任の度合いが大きいため、消費者保護のために手配旅行にはない旅程管理、旅程保証、特別補償という責任が旅行会社に課せられている。これを企画旅行の三大責任という。

また募集型企画旅行は企画した旅行会社以外の旅行会社でも販売される(受託販売という)のも特徴の一つである。


[編集] 募集型企画旅行
概要
旅行会社があらかじめ旅行計画を作成して、パンフレットや広告などで参加者を募集して実施する旅行のこと。一般にパッケージツアーまたはパック旅行といわれるものがこれにあたる。2005年4月の旅行業法改正以前は主催旅行と呼ばれていた。レディメードの旅行と考えればよく、住宅で言えば建売、洋服で言えばつるし、といったところがイメージ的に近い。参加者の人数は関係なく、2名だけのフリープランであっても、添乗員が旗を立てて先導する団体旅行であっても、旅行会社がパンフレットを作成して募集したものはこれに含まれる。

パンフレット
旅行商品は一般の商品と違って実物がないので手にとって確認することが出来ない。中でも募集型企画旅行は旅行会社が(いわば勝手に)作成したものであるから消費者には内容の確認のしようがない。このため消費者保護の観点から募集型企画旅行のパンフレットや広告については記載項目や表示方法が細かく規定されている。募集型企画旅行のパンフレットは法的には「契約書面」といい、旅行業法に基づき定められた契約上の重要書類である。

旅行会社の種別との関係
旅行業法では旅行業は下記3つの種別があるが、これは募集型企画旅行を自社で企画・実施できる範囲に基づいている。募集型企画旅行のパンフレットや広告にはその旅行業者が法的にその企画旅行を実施できることを確認するために旅行業の登録番号を記載するよう義務付けられている。

第1種旅行業 海外・国内の募集型企画旅行の企画・実施ができる。登録番号は国土交通大臣登録旅行業第XX号となっている。
第2種旅行業 国内のみの募集型企画旅行の企画・実施ができる。登録番号は○○県知事登録旅行業第2種第XX号となっている。
第3種旅行業 募集型企画旅行の企画・実施は一切出来ない。登録番号は○○県知事登録旅行業第3種第XX号となっている。
ここに認められた以外の募集型企画旅行を自社で企画・実施すると、つまり第2種旅行業者が海外の募集型企画旅行を企画・実施したり、第3種旅行業者が募集型企画旅行を企画・実施したりすると違法行為となる。ただし、これは自社での企画・実施のみに関する規定であり、海外・国内にかかわらず、後に述べる受託販売すなわち他の旅行会社が企画・実施する募集型企画旅行を代理して販売することは当該旅行会社との間で受託契約を結ぶことを条件に旅行業の3つの区分のいずれでも可能である。


[編集] 受注型企画旅行
概要
旅行会社が旅行者の依頼により旅行計画を作成して実施する旅行のこと。一般に学校の修学旅行や企業の慰安旅行などがこれにあたる。2005年4月の旅行業法改正以前は企画手配旅行と呼ばれていた。旅行業の登録区分(第1種、第2種、第3種)にかかわらず企画・実施することが可能である。旅行業代理業者は企画・実施することができない。オーダーメードの旅行と考えればよく、住宅で言えば注文建築、洋服で言えばあつらえの服、といったところがイメージ的に近い。同じような旅行内容でもパッケージツアーより割高になることが多いが、理由はオーダーメードだからであり、一般に建売住宅より注文建築が、つるしの服よりあつらえの服が割高なことを考えれば理解できよう。団体旅行であることが多いが、募集型企画旅行と同様に参加者の人数は関係なく、2名だけであっても既存のパッケージツアーにない自分達だけのコースを旅行会社に頼んで作ってもらった旅行はこれに含まれる。

非募集性
受注型というだけあって募集型のように広く一般に参加者を募集することはできない。ただし、学校や企業の研修旅行等の場合は、その学校・企業の中で参加者を募集することはできる。旅行業公正取引協議会や日本旅行業協会の見解では受注型企画旅行で参加者を募集できる範囲は「日常的に接触がある、顔見知りの範囲」とされている。よく自治体や各種団体等が主催する研修旅行や視察旅行、親善旅行等で市内や県内に住む人を対象に募集を行っているケースがあるが、この基準にてらせば(よほど小さな村でもない限り全員が顔見知りということはないだろうから)受注型企画旅行ではなく募集型企画旅行であり、取り扱う旅行会社の登録区分は募集型企画旅行のそれに従うべきと考えられる。また、まれに法的に募集型企画旅行が実施できない旅行会社が意図的に受注型企画旅行を装って広く募集を行う「偽装受注型企画旅行」が見られることもある。旅行会社の登録区分などあまり一般消費者には関係ないように思われがちだが、旅行業法上の第1種から第3種までの登録区分は登録の際の財産的基準や供託金(営業保証金)の額が大きく違うので、万一その旅行会社が倒産したような場合補償の額に重大な影響を及ぼす。一般のパッケージツアーではないが募集が行われている旅行の場合は消費者の側もその内容と旅行会社の旅行業の登録区分にも留意したほうがよい。


[編集] 旅程管理
旅程管理とは
旅行会社は企画旅行を行う場合は企画旅行を円滑に実施するために措置を講じることが義務付けられている。この措置のことを「旅程管理」といい、国土交通省令で以下のように定められている。

計画通りのサービスが受けられるよう旅行開始前に予約すること
計画通りのサービスが受けられるよう手続すること
計画通りのサービスが受けられない時に代替サービスを手配すること
団体行動をする時に集合時刻・集合場所などの指示をすること
別項で述べたように旅行商品は一般の商品と違って実物がないのでパーツを組み合わせて計画したとしても実際にその通りになるとは限らない。旅行を商品として計画通りに、あるいはできるだけ計画に近いように完成させるための措置が旅程管理といえよう。

旅程管理を行う者
企画旅行に参加する旅行者に同行してこのうち2〜4までの業務を行う者が添乗員である。また添乗員の同行の有無にかかわらず旅行会社には旅程管理を行う責任があり、添乗員が同行しない旅行では現地の係員やガイドがその業務を行う。(ただし、現地の係員やガイドが旅程管理という考え方を認識していない場合も多く、しばしばトラブルになっている。)なお、国内旅行においては航空券やクーポン券などを参加者に渡して手続は自分で行ってもらう旨をパンフレットに明記した場合に限り旅行会社の旅程管理は上記第1項を除いて免責とすることができる。


[編集] 旅程保証
旅程保証と変更補償金とは
募集型企画旅行の参加者はパンフレット(及び/又は最終案内書)に記載されている旅行内容、すなわち旅程に魅力を感じてその旅行に参加する。また受注型企画旅行の参加者は自分の希望にあった旅程が旅行会社により作成されたのでその旅行に参加する。したがって募集型・受注型とも企画旅行においては旅行会社は前項で述べた旅程管理の責任を負い、できるだけ計画通りに旅行を実施するよう義務付けられているわけである。しかしながら、旅行会社が旅程管理の努力をしていても旅行会社が関与し得ない理由により計画通りにいかず旅程が変更になる場合がある。その変更が以下に述べられた重要な変更であった場合には、旅行代金に所定の比率をかけた額の変更補償金を参加者に支払う、というのが「旅程保証」である。

旅行開始日又は旅行終了日の変更
入場する観光地又は観光施設(レストランを含む)その他の旅行の目的地の変更
運送機関の等級又は設備のより低い料金のものへの変更
運送機関の種類又は会社名の変更
国内の旅行開始地の空港又は旅行終了地の空港の異なる便への変更
国内と海外との間における直行便の乗継便又は経由便への変更
宿泊機関の種類又は名称の変更
宿泊機関の客室の種類、設備、景観その他の客室の条件の変更
前各号に掲げる変更のうち契約書面のツアー・タイトル中に記載があった事項の変更(募集型企画旅行のみ)
ただし、天災地変、戦乱、暴動、官公署の命令、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、当初の運行計画によらない運送サービスの提供、旅行参加者の生命又は身体の安全確保のため必要な措置、による変更の場合は旅程保証は免責とな る。


*変更保証金の請求期限*

上記の事由により旅行者は旅行会社に対して変更補償金を請求する場合は、旅行終了日の翌日から起算して30日以内に行う必要がある。

無過失責任
旅程保証は旅行会社の関与し得ない理由による変更に対して旅行会社が責任を負うことから、次項の特別補償とともに「無過失責任」とよばれる。上記の変更が旅行会社の責任によるものであった場合(予約が取れなかった、等)は旅程保証ではなく旅程管理義務違反であり、旅行者に対する債務不履行となる。支払われるのは変更補償金ではなく損害賠償金となる。では、旅行会社の責任によらずこれらの変更が起きるというのは具体的にどのような場合なのか、答えは航空会社や宿泊機関によるオーバーブッキング(過剰予約。座席数や部屋数以上に予約を受け付けてしまうこと)である


[編集] 特別補償
特別補償とは
旅行会社の責任の有無にかかわらず、旅行者が企画旅行参加中に急激かつ偶然な外来の事故によりその生命、身体又は手荷物の上に被った一定の損害について、あらかじめ定める額の補償金及び見舞金が支払われる。これを「特別補償」といい、「旅程保証」と同様に旅行会社に責任がない場合でも補償が行われる旅行会社の「無過失責任」である。なお、旅行会社に責任があった場合は「特別補償」ではなく「損害賠償」になる。

免責などの規定
団体行動中はもとよりツアーに定められた自由行動中でも基本的に特別補償の対象となるが、ツアー期間中の無断離脱(だまっていなくなること)の場合は対象とならない。また単なる自由行動日ではなく旅行会社が運送や宿泊の手配を一切していない日があって(往復の飛行機と現地へ到着した日の宿泊しか含まれていないようなツアーの場合など)その日は特別補償の対象にならないことがパンフレットに記載されている場合も対象とはならない。また、一般に旅行者や死亡補償金を受け取るべき者の故意、旅行者の自殺行為、犯罪行為又は闘争行為、法令違反行為、疾病、戦争、暴動あるいは特定の危険な運動中の事故によるもの等は免責となる。

特別補償に関しては、無過失責任であるにもかかわらず死亡補償金が海外旅行で2500万円、国内旅行で1500万円と高額なこと、入院や通院に対しても見舞金を出さなくてはならないことなど旅行会社の負担が大きいことからから、各旅行会社とも上記の免責事項をはじめとする極めて詳細な規定を旅行業約款の中に定めている。また、これを担保するために各旅行会社とも自社を受取人として特別補償に関する保険を保険会社にかけているのが普通である。


[編集] 受託販売
受託販売とは
旅行業法では他の旅行業者を代理して旅行契約を行うためには旅行業者代理業の登録を受けなくてはならないが、募集型企画旅行に限り、旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行をその旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる。これを「受託販売」という。たとえば第1種旅行業者であるジャルパックの企画・実施するパッケージツアー「I'll」が同じく第1種旅行業者であるジェイティビーの店舗で販売されているのがこれにあたる。受注型企画旅行や手配旅行では受託販売はできない。

受託契約
受託販売は自由にできるわけではなく、受託販売を行う旅行業者(「受託旅行業者」という)は旅行を企画・実施する他の旅行業者(「委託旅行業者」という)を代理して企画旅行契約を締結するという内容の契約(「受託契約」という)を委託旅行業者と締結するよう旅行業法により定められている。また、受託契約において受託旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者名が定められた時はその旅行業者代理業者でも受託販売ができる。企画旅行契約に関する旅行者への最終的な責任はすべて委託旅行業者にある。受託旅行業者は民法上の代理人とみなされる。

受託販売されるパッケージツアー
その旅行会社で受託販売が可能な他社のパッケージツアーについてはリストを旅行会社の営業所の店頭に掲示するよう義務付けられている。ただし、そのリストにある旅行会社のパッケージツアーがすべて受託販売できるわけではなく、旅行会社によっては自社での直接販売しか行わないパッケージツアーもあり、そういったツアーは他社での受託販売は行われない。

旅行業者は相互にこの受託契約を締結している場合が多い。近畿日本ツーリストのパッケージツアーが日本旅行の店舗で販売されているのと同時に、日本旅行のパッケージツアーが近畿日本ツーリストの店舗で販売されているのはこのことによる。また、旅行業者の中には自社の販売店舗を持たずパッケージツアーの販売は専ら他の旅行業者での受託販売によるものもあり、ジャルパックやANAセールスはこの例である。


[編集] 関連項目
ミステリーツアー

[編集] 外部リンク
旅行業法(総務省法令データ提供システム)
カテゴリ: 旅行

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